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会田誠『「色ざんげ」が書けなくて(その六&その七)』

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「オナニーとはセックスの前段階にある代替品ではなく、独立した価値を持つ人生の目的そのもの」と言う、天才美術家・会田誠が考える「性」のあれこれ。

「オナニー」については愛溢れる言葉を尽くし、「セックス」については、おそるおそる言葉を選ぶ。 それは、「あんなクレイジーなこと赤の他人とできるわけない」と考えていたハイティーンの頃の気持ちが抜けきれないから――。

オナニー方法と妄想の遍歴、セックスに対していまなお抱く違和感、そして会田作品における性の意味まで赤裸々に開陳。

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「色ざんげ」が書けなくて(その六)

 ではいよいよ、僕のことを嫌っている方も多いだろうフェミニストの方々が、日々神経を尖らせているはずの二つのキーワード、「レイプ」と「ポルノ」の話題に行ってみます。

 ご存知の方もいるかと思いますが、2012年に森美術館でやった僕の個展は、フェミニストの団体から強い抗議を受けました。女性を性的に屈辱した(と彼らが判断した)作品を、公共性の高い場に展示したことに対する抗議で、それは作り手の僕ではなく、美術館に向けられたものでした。そのため僕が弁明の矢面に立たされることはなかったのですが、代わりに自分の所感を述べる機会も与えられませんでした。フェミニストさんたちとの対話が回避されたことは、僕に軽い安堵と同時に、軽い拍子抜けの感情も残しました。もし聞いてくれるならば、彼らに語りたい言葉がないわけでもなかったのだけれど……という。

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